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推奨グレード(最新:2024年度版から)
推奨グレード(2024年度版から)
証拠のレベル(最新:2024年度版から)で説明しましたが、証拠のレベルは「死亡率減少効果(利益の大きさ)」と「証拠のレベル(利益)」と「不利益の程度」を根拠に決定されます。
証拠のレベルが「利益はあるが、不利益小」と「利益はあるが、不利益中」の場合推奨グレードAとなります。「利益はあるが、不利益大」と「利益はあるが、証拠の信頼性が低く、不利益あり」の場合推奨グレードCとなります。「利益は不明だが、不利益あり」の場合推奨グレードIとなります。「利益はなく、不利益あり」の場合推奨グレードDとなります。
推奨グレードの定義も推奨グレード(2019年度版まで)から2点大きな変更がありました。1)推奨グレードCが「条件付き推奨」から対策型検診では「実施を推奨しない」、任意型検診では「利益と不利益に関する適切な情報を提供し個人の判断に委ねる」へ変更、2)推奨グレードの判断に、医療資源(費用を含む)や受診者の価値観や選好性を含めないことにしました。
対策型検診として実施が推奨されるのは、推奨グレードAのみです。対策型検診はがん対策の政策として実施されますので、信頼性が高いエビデンスに基づき、利益が不利益を上回ると判断された場合にのみ実施を推奨することにしました。
推奨グレードの定義
推奨グレード |
評価 |
対策型検診 |
任意型検診 |
A |
利益はあり、不利益が中等度以下と判断する |
推奨 |
推奨 |
C |
利益はあるが不利益が大、または利益はあるが証拠の信頼性は低く不利益ありと判断する |
実施しないことを推奨 |
利益と不利益に関する適切な情報を提供し、個人の判断に委ねる |
I |
利益は不明だが不利益ありと判断する |
実施しないことを推奨 |
利益と不利益に関する適切な情報を提供し、個人の判断に委ねる |
D |
利益はなく不利益ありと判断する |
実施しないことを推奨 |
実施しないことを推奨 |