- がん検診ガイドラインの考え方
| ■有効性評価とは | ■間接的証拠 |
| ■有効性評価の指標 | ■証拠のレベル |
| ■なぜ「発見率」ではだめなのか | ■対策型検診と任意型検診 |
| ■なぜ「生存率」ではだめなのか | ■推奨グレード |
| ■直接的証拠 |
■推奨グレード
推奨グレードは、対策型検診と任意型検診における実施の可否を示しています。推奨グレードは、各種がん検診の利益と不利益のバランスを考慮して決定します。がん検診の主たる利益は死亡率減少効果であり、その信頼性は証拠のレベルで示されています。一方、不利益とは、偽陰性率、偽陽性率、偶発症、放射線被曝、感染、受診者の心理的・身体的負担などがあります。
表5 推奨グレード
| 推 奨 | 表 現 | 対策型検診注1)(住民検診型) | 任意型検診注2)(人間ドック型) | 証拠のレベル |
| A | 死亡率減少効果を示す十分な証拠があるので、実施することを強く勧める。 | 推奨する | 推奨する | 1++/1+ |
| B | 死亡率減少効果を示す相応な証拠があるので、実施することを勧める。 | 推奨する | 推奨する | 2++/2+ |
| C | 死亡率減少効果を示す証拠があるが、無視できない不利益があるため、対策型検診として実施することは勧められない。任意型検診として実施する場合には、安全性を確保し、不利益に関する説明を十分に行い、受診するかどうかを個人が判断できる場合に限り、実施することができる。 | 推奨しない | 条件付きで実施できる | 1++/1+/2++/2+ |
| D | 死亡率減少効果がないことを示す証拠があるため、実施すべきではない。 | 推奨しない | 推奨しない | 1++/1+/2++/2+ |
| I | 死亡率減少効果の有無を判断する証拠が不十分であるため、対策型検診として実施することは勧められない。任意型検診として実施する場合には、効果が不明であることと不利益について十分説明する必要がある。その説明に基づく、個人の判断による受診は妨げない。 | 推奨しない | 個人の判断に基づく受診は妨げない | 1-/2-/3/4 |
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注1) 対策型検診は、公共的な予防対策として、地域住民や職域などの特定の集団を対象としている。 その目的は、集団におけるがんの死亡率を減少させることである。対策型検診は、死亡率減少効果が科学的に証明されていること、不利益を可能な限り最小化することが原則となる。具体的には、市区町村が行う老人保健事業による住民を対象としたがん検診や職域において法定健診に付加して行われるがん検診が該当する。 注2) 任意型検診とは、医療機関や検診機関が任意で提供する保健医療サービスである。 その目的は、個人のがん死亡リスクを減少させることである。がん検診の提供者は、死亡率減少効果の明らかになった検査方法を選択することが望ましい。がん検診の提供者は、対策型検診では推奨されていない方法を用いる場合には、死亡率減少効果が証明されていないこと、及び、当該検診による不利益について十分説明する責任を有する。具体的には、検診センターや医療機関などで行われている総合健診や人間ドックなどに含まれているがん検診が該当する。 注3) 推奨Iと判定された検診の実施は、有効性評価を目的とした研究を行う場合に限定することが望ましい。 |