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証拠のレベル(最新:2024年度版から)
証拠のレベル(2024年度版から)
下の表1に示すように、証拠のレベルは「死亡率減少効果(利益の大きさ)」と「証拠のレベル(利益)」と「不利益の程度」を根拠に決定されます。「死亡率減少効果」(臓器によっては浸潤がん罹患率減少効果)に関しては可能な限りメタアナリシスを行い、あり・不明・なしを判断します。「証拠のレベル(利益)」は死亡率減少効果を検討した研究数、参加人数、研究の質、結果の一貫性で評価し、証拠の信頼性が「高い・中等度・低い」の3段階で評価します。「不利益の程度」は様々な不利益の情報を整理し、不利益小・中・大を決定します。不利益の程度の評価でもメタアナリシスを行うことがあります。
ガイドライン作成委員会は、エビデンスを吟味し、がん検診の利益である「死亡率減少効果(利益の大きさ)」を評価し、「証拠のレベル(利益)」を考慮した上で、「死亡率減少効果(利益の大きさ)」と「不利益の程度」を対比して、証拠のレベルを判断します。
証拠のレベルが決まると推奨グレードも決まります。「利益はあるが、不利益小」と「利益はあるが、不利益中」の場合推奨グレードAとなります。「利益はあるが、不利益大」と「利益はあるが、証拠の信頼性が低く、不利益あり」の場合推奨グレードCとなります。「利益は不明だが、不利益あり」の場合推奨グレードIとなります。「利益はなく、不利益あり」の場合推奨グレードDとなります。表2は推奨グレードの定義を示しています。最新の推奨グレードの詳細については、推奨グレード(最新:2024年度版から)を参照してください。
表1 証拠のレベルと推奨グレードとの対応
表2 推奨グレードの定義