コンテンツにジャンプ
がん対策研究所

トップページ > がん検診の有効性評価 > がん検診ガイドライン > がん検診ガイドライン > 乳がん

乳がん

マンモグラフィ単独法(40~74歳):推奨グレードB

40~74歳を対象として、死亡率減少効果を示す相応な証拠があります。不利益については偽陽性、過剰診断、放射線誘発乳がんの発症の可能性があります。これらの結果から、推奨グレードBとし、対策型検診・任意型検診の実施を勧めます。

マンモグラフィと視触診の併用法(40~64歳):推奨グレードB

40~64歳を対象として、死亡率減少効果を示す相応な証拠がある。不利益については偽陽性、過剰診断、放射線誘発 乳がんの発症の可能性があります。これらの結果から、推奨グレードBと判断し、対策型検診・任意型検診の実施を勧めます。ただし、視触診が適正に行われるための精度管理ができない状況では実施すべきではありません。

注)65~74歳については、マンモグラフィと視触診の併用法に関する証拠は認められませんでした。従って、65~74歳には、マンモグラフィ単独検診を対策型検診として推奨します。

マンモグラフィ単独法及びマンモグラフィと視触診の併用法(40歳未満):  推奨グレード I

40歳未満の乳がん罹患率は低く、死亡率減少効果を検討した研究もほとんどありません。このため、死亡率減少効果を判断することはできません。従って、推奨グレードIと判断し、対策型検診としての実施は推奨しません。任意型検診として実施する場合には、死亡率減少効果が不明であり、不利益が大きいことについて適切な説明を行うべきです。

視触診単独法:推奨グレード I

十分な研究が行われていないため、死亡率減少効果を判断することはできませんでした。従って、推奨グレードIと判断し、対策型検診としての実施は推奨しません。任意型検診として実施する場合には、死亡率減少効果が不明であることと不利益が大きい可能性について適切な説明を行うべきです。ただし、視触診が適正に行われるための精度管理ができない状況では実施すべきではありません。

超音波検査(単独法・マンモグラフィ併用法):推奨グレード I

死亡率減少効果を検討した研究はありませんでした。このため、超音波検査(単独法・マンモグラフィ併用法)による死亡率減少効果を判断することはできません。従って、推奨グレードIと判断し、対策型検診としての実施は推奨しません。任意型検診として実施する場合には、死亡率減少効果が不明であることと不利益について適切な説明を行うべきです。

 

有効性評価に基づく乳がん検診ガイドラインがPDF形式でダウンロードできます。

報告形式 題名 概要
完全版 有効性評価に基づく乳がん検診ガイドラインブック 2013年度版(PDF:1.5MB) ガイドライン作成における根拠とその過程を すべて記載している。
構造化要約 ガイドラインに証拠として採用された文献の抄録をすべて和文で掲載している。
英文版

The Japanese Guidelines for Breast Cancer Screening. Jpn J Clin Oncol. 2016 May;46(5):482-492.

ガイドラインの概要を英語で解説している。
英語論文

A meta-analysis of mammographic screening with and without clinical breast examination. Cancer Sci. 2015 Jul;106(7):812-818.

マンモグラフィ単独法、マンモグラフィと視触診併用に関する無作為化比較対照試験(RCT)のメタ・アナリシスを行っっている。