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がん対策研究所

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Funnel Plotによるプロセス指標値の分析

がん検診の精度管理では、都道府県、市区町村、検診機関毎にプロセス指標を集計し、自治体間や検診機関間で比較することが求められます。これにより、各組織の現状を把握し、指標が平均から大きく逸脱している場合には、改善の必要性を検討できます。

ただし、人口規模が異なる自治体や検診機関の指標を単純な数値(率)の比較で評価するのは適切ではありません。指標の分母となるサンプルサイズ(人口や受診者数)が数百人から数十人と小さい場合、分子となる要精検者数や精検受診者数が一人変動しただけで、要精検率や精検受診率の変動が大きくなりやすく、その変動が偶然によるものなのか、実際に意味のある違いなのかが判断しにくくなるためです。

そこで、このページに掲載する Funnel Plot(ファンネルプロット) のテンプレートを活用することで、人口規模の違いを考慮しながら公平にプロセス指標を比較し、改善が必要な自治体や検診機関がどれかを視覚的に判断することができます。

Funnel Plot(ファンネルプロット)とは?

Funnel Plotは、データのばらつきを視覚的に理解し、特定のデータが平均からどの程度逸脱しているかを示す散布図です。分母を横軸、指標(率)を縦軸とした散布図に信頼区間を表示することで、統計的に意味のある外れ値(信頼区間より外側にある値)を特定できます。英国のNHS(National Health Service)では、地域の医療機関や公的機関のパフォーマンスの評価のために、Funnel Plotが用いられています。統計的に有意な外れ値を特定するとともに、経時的な比較を行うことで、ばらつきの改善状況を視覚的に評価するのに有用とされています。

Funnel Plotテンプレート(外部サイトにリンクします)

著作権・引用等について

このFunnel Plot テンプレートは 関西大学社会安全学部の福井敬祐先生のご協力を得て作成したもので、著作権は国立がん研究センターに帰属します。論文・学会等で紹介される際には、以下を出典として記載してください。

国立がん研究センターがん対策研究所「科学的根拠に基づくがん検診推進のページ」
https://canscreen.ncc.go.jp/

 

関連資料のご案内

プロセス指標について

プロセス指標の意味や活用方法については、以下のマニュアルをご参照ください。

「自治体担当者のためのがん検診精度管理マニュアル」第0章
 (プロセス指標の意味と活用方法)

マニュアルはこちら(がん情報サービス)(外部サイトにリンクします)

プロセス指標の基準値について

厚生労働省が示す基準値については、以下の資料をご参照ください。

「がん検診事業のあり方について(令和6年7月)」  

資料はこちら(外部サイトにリンクします)