コンテンツにジャンプ
がん対策研究所

トップページ > がん検診の有効性評価 > がん検診の考え方 > 間接的証拠

間接的証拠

間接的証拠を評価するために、各がん検診についての一連の流れを図式化したAnalytic Framework(図5)を作成します。Analytic Frameworkとは、各段階における検査や治療の結果を評価するために、スクリーニング、精密検査、治療、転帰(生存・死亡)の一連の流れを図式化し、まとめたものです。間接的証拠としては、精度、発見病期、生存率、治療の評価などが該当しますが、これらは、単独の証拠として不十分であっても、結果の方向性が同一であれば、間接的証拠として採用される可能性があります。ただし、すでに無作為化比較対照試験でがん検診として有効性が評価された方法に比べ、精度が高いことや、死亡率減少効果が増大することが期待された場合、総合的に評価して、がん検診として有効性ありと判断されます。

 

図5 がん検診のAnalytic Frameworkと検討課題

がん検診のAnalytic Frameworkと検討課題の図



各段階における検討課題

各段階における検討課題1がん検診により、対象となるがんの死亡(あるいは罹患)を減少できるか

各段階における検討課題2対象集団における当該がんの罹患率(有病率)

各段階における検討課題3検診

    1. 精度(感度・特異度)はどの程度か。どのように算出されているか。他の検診方法と比較可能か。
    2. 発見がんの病期分布

各段階における検討課題4検診・精密検査の不利益

    1. 偶発症
    2. 過剰診断
    3. 要精検率
    4. 受診者の負担

各段階における検討課題5適切な治療法が存在し、対象となるがんの死亡(あるいは罹患)を減少できるか

各段階における検討課題6適切な治療法が存在し、中間結果(進行がんなど)を減少できるか

    1. 治療効果の評価
    2. 検診発見がんと臨床がんとの生存率比較

各段階における検討課題7治療の不利益

    1. 偶発症
    2. 過剰診断
    3. 受診者の負担

各段階における検討課題8中間結果(進行がんなど)の減少が、対象となるがんの死亡(あるいは罹患)の減少につながるか