• がん検診ガイドラインの考え方


  • 有効性評価とは


     昭和58年の老人保健法における導入以来、がん検診はわが国の公共政策として実施されています。公共政策として実施されるためには、その有効性を科学的な方法で検証する必要があります。しかし、「がん検診」と称されている検診のなかには、科学的根拠のない方法もあります。国民の健康を改善するという目的から考えると、有効性の不明ながん検診を行うことは、わが国に大きな損失を及ぼすものになりかねません。なお、有効性評価とは、信頼性の高い研究方法によりがん検診の効果が証明されていることで、個々人の価値観、医療従事者の私見や不適切な指標による評価は該当しません。



    有効性評価の指標


     がん検診の有効性を評価するためには、適切な指標を設定する必要があります。がん検診の評価指標は、がんの死亡率です。このため、死亡率減少効果を示すことで、がん検診として有効であることが証明されます。死亡率減少効果を示す指標は、直接的証拠と間接的証拠に大別されます。

     直接的証拠は無作為化比較対照試験や症例対照研究により、がん検診により死亡率減少効果が証明されたものです。

     一方、間接的証拠とは、エンドポイントを発見がんなどの中間的結果に設定した研究や検査精度に関する研究が含まれます。これらは、個々の研究だけでは検討対象となるがん検診による死亡率減少効果を証明することが困難なことから、複数の研究の集積により死亡率減少効果が示唆されるものです。ただし、精度を検討する上で、がん検診の死亡率減少効果を示す根拠が無作為化比較対照試験により証明されている方法と比較することが条件となります。




    >>なぜ「発見率」ではだめなのか