• 調査報告
      市町村向け調査
  • 市町村調査(平成16年度)


    久道班報告書市町村アンケート報告(PDF:28k)がPDF形式にてダウンロードできます。

    背景:がん検診の有効性についての科学的根拠を示すものとして「新たながん検診手法の有効性評価」報告書(主任研究者 久道茂)が平成13年に公表された(以下、報告書)。老人保健事業としてのがん検診は平成10年度より一般財源化され、各自治体には適切な対象者に適切な方法によってがん検診を実施することが求められている。


    目的:市区町村のがん検診担当者における報告書の認知度や利用状況を検討する。今後報告書の改訂・作成に際し、がん検診担当者が要望している事項について検討する。なお、がん検診担当者自信のがんや検診に対する意見についても同様に検討する。


    方法:平成16年7月、全国3327市区町村に対し郵送にて調査票を配布した。未返送の自治体に対しては催促を行い 、2306自治体から回答を得た(回収率69%)。


    結果

    1) 報告書は73%の自治体が認知していた。
    2) 報告書の情報の入手経路は、報告書そのもの(61%)、学会誌や保健・医療関連の雑誌(25%)、保健・医療関係者(19%)の順で、以下、学会・講演・研修会・説明会、東北大学医学部公衆衛生学教室や国立がんセンターのホームページと続いた。
    3) 告書の内容は、91%の自治体が理解できた(よく理解できた、理解できた、やや理解できた)と回答し、理解出来ない理由では、表現が難しい、専門用語が多い、分量が多い、が多かった。
    4) 報告書の利用法では、検診実施計画の資料(59%)、とくに利用していない(28%)、受診者への説明(27%)が多かった。
    5) 報告書の中で推奨されている以外の方法について、34%の自治体がいずれかの部位で実施していた。実施理由は専門家に進められた(31%)、受診者の要望があるから(27%)、発見率が高い(27%)、が多かった。回答の最も多かったその他(46%)では、ガイドライン以前より既に実施していた、マンモグラフィ等推奨の方法へすぐ対応できない、前立腺(PSA)等検査が簡便、などの回答がみられた。
    6) がん検診についてあればよいと思う情報については、受診者への説明文書(51%)が多く、以下、検診の成果を評価するためのツール(47%)、精度管理の方法(41%)、受診率向上対策(39%)、検診の事後調査の方法(25%)、検診データの管理(23%)と続いた。
    7) 担当者自身に尋ねた項目のうち、推奨されていない検診を公共的な政策として行うことの是非については、わからない(46%)、いいえ(31%)、はい(20%)の順だった。



    考察:報告書の認知度は高かったが、マンモグラフィなど推奨と実施とに乖離の見られるがん検診もあった。精度管理や受診率向上といった、実務的な情報への要望が多かった。受診者への説明も含め、理解しやすい簡易版や要約作成の必要性も示唆された。
    (本研究は厚生労働省がん研究助成金「がん検診の適切な方法とその評価法の確立に関する研究:主任研究者 祖父江友孝」の一環です。本抄録には中間データを用いています。)




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